イギリス製フレームであるBob Jacksonは、主に同じ英国のReynolds/レイノルズ社製チューブ(パイプ)を使用してフレーム製作をおこなっています。
説明不要かと思いますが、レイノルズ社は1899年創業のスチールチューブメーカーで、Reynolds531、753をはじめ数々の名作チューブを世に送り出してきました。
その評価は高く、イタリアの名ブランドMASI/マージなどは同国のコロンバスチューブがあるにも関わらず、好んでレイノルズを使用していたほどです。
またレイノルズ社は自転車のチューブのみならずレーシングカーやモーターバイク、戦闘機のフレームなどにも使用されこちらも高い評価を得てきました。
現在は631、725、853など数種類のスチールチューブを生産しており、各チューブ共に径やパイプ厚にさまざまなバリエーションがあります。
全てを記述するのは困難ですので、下記ではボブジャクソンが使用するレイノルズチューブのうち、トップ・ダウン・シートチューブのメイン三角に使用されるパイプの代表的な厚さのみをご紹介しています。
なお、ボブジャクソンの基本仕様フレームで使用するチューブは
メイン三角:Reynolds631
シート&チェンステー:Reynolds525 (カーリーステイモデルはReynolds531)
フォーク:Reynolds“R”(525相当)
です。
上記基本仕様にオプションで725や853チューブ、631や853フォークが選択可能です。
Reynolds 525
現在のレイノルズ社のイギリス製ベーシックグレードチューブで、かっての名チューブ531とほぼ同等の性能をもつクロモリ鋼チューブです。
Bob Jacksonではスタンダード仕様フレームのシート&チェンステー及びフォークに使用していますがメイン三角には使用していません。
なお、レイノルズ520は525と同一の製品ですが、生産を台湾企業に委託している台湾製チューブです。
UTS(最大抗張力):700-900 Mpa, Density(密度) 7.78gm/cc
Reynolds 725
525チューブに熱処理を加え強度と硬度をアップさせたチューブです。
メイン三角とシート&チェンステーが生産されていますので、フル725、又は631・853いずれかのメイン三角使用時のシート&チェンステーとしてお選びいただけます。
重量的には525とほぼ同等でもより丈夫なフレームとなりますので、大きなサイズのフレームや体重の重い方にお勧めのチューブです。
メイン三角パイプ厚さ:
0.8/0.5/0.8
0.7/0.4/0.7 など
UTS(最大抗張力):1080-1280 Mpa, Density(密度) 7.78gm/cc
Reynolds 631
Air Hardened(接合加熱後の冷却でチューブの強度が増す)性質を特徴とするレイノルズのミドルグレード製品で、531の10%増しの強度を有するチューブです。
Bob Jacksonではスタンダード仕様フレームのメイン3角に使用しています。
製品としてメインチューブとフォークのみの設定でシート&チェンステーが生産されていないため、525又は725のシート&チェンステーと組み合わせてフレームを製作します。
メイン三角パイプ厚さ:
0.8/0.5/0.8
0.75/0.45/0.75 など
UTS(最大抗張力):800-900 Mpa, Density(密度) 7.78gm/cc
Reynolds 853
631同様のAir Hardened鋼にさらに熱処理を加え強度と硬度をアップさせたチューブで、レイノルズが誇る同社のトップグレードチューブです。
853もシート&チェンステーは製品化されていないため、725のシート&チェンステーと組み合わせるのが一般的です。
肉厚が薄く硬度が高いチューブですので、ハイパフォーマンス・スチールフレームをお求めの方に最適のチューブです。
メイン三角パイプ厚さ:
0.65/0.45/0.65
0.7/0.5/0.7
0.75/0.45/0.75 など
UTS(最大抗張力):1250-1400 Mpa, Density(密度) 7.78gm/cc
上記の他にステンレススチールの953・931、かっての名作531の復刻品などあるようですが、定期的生産は行われていないようで現在は安定供給されていないようです。
これらに関しては情報があるつどお知らせしたいと思います。